第43代天皇(在位:707-715年)。
女性天皇(女帝)の一人で、4人目。天智天皇の第四皇女子。天武天皇と持統天皇の子の草壁皇子の正妃であり、文武天皇と元正天皇の母。聖武天皇の父方の祖母にあたります。
草壁皇子は皇太子でしたが、天皇に即位する前に亡くなったため、元明天皇は皇后だったことはありませんでした。そのため、元明天皇は初めて皇后を経ずに女帝となった事例となります。(以降、皇后を経ての天皇即位の事例はありません。)
息子である文武天皇が若くして亡くなると、残された孫の首皇子(のちの聖武天皇)が幼かったことから、中継ぎとして天皇に即位。在位期間中には、藤原京から平城京への遷都、『風土記』編纂の詔勅、先帝から編纂が続いていた『古事記』の完成、和同開珎の鋳造等が行われました。また、701年に大宝律令が作られましたが、これを運用していく時代であったため、実務に長けていた藤原不比等を重用しました。
715年に首皇子は15歳となっていましたが、まだ若かったことから、元明天皇は天皇位をいったん、自分の娘であり文武天皇の姉にあたる元正天皇へと譲りました。
721年に元明天皇は首皇子の即位を見る前に61歳で亡くなりました。