藤原行成(ふじわら の ゆきなり)は、能書家で小野道風・藤原佐理と同じ「三蹟」の1人。音読みして「こうぜい」とも呼ばれます。その書は後世「権蹟(ごんせき)」と称されました。藤原道長の従兄弟の子にあたります(すなわち、藤原頼通のはとこ)。
三蹟の一人に数えられますが、行成自身は道風を尊敬していて、道風の影響がみられます。追慕の情はかなり強かったらしく、自分の日記に「夢の中で道風に会い、書法を授けられた」と感激して記しています。
行成の書風は道風や佐理よりもさらに和様化が進み、優雅なものとなりました。