小野道風(おの の みちかぜ)は、能書家で藤原佐理と藤原行成と合わせて「三蹟」の1人。音読みして「とうふう」とも呼ばれます。
それまでの中国的な書風から脱皮して和様書道の基礎を築いた人物と評されていて、その書跡は「野跡(やせき)」と呼ばれます。能書家としての道風の名声は生存当時から高く、当時の宮廷や貴族の間では「王羲之の再生」ともてはやされました。王義之とは書の芸術性を確固たらしめた普遍的存在として「書聖」と称えられる4世紀の中国の政治家・書家のことです。醍醐天皇は深く、道風の書を愛好しました。