革新勢力とは、日本社会党や日本共産党などのことを指します。第二次世界大戦前は、地方自治体の首長は内務省による任命か議会による選挙によって就任していたため、農民運動が盛んな農村の一部を除いて、革新自治体が誕生する余地はありませんでした。
第二次世界大戦後、1947年の国政選挙において、日本社会党が議会の第一党となり片山哲内閣が成立するなど、国政における影響力を高め、地方自治体においても、1950年代前半はドッジ・ラインによるデフレ政策で地方自治体は軒並み財政難に襲われ、住民の不満が高まり、社会党系の県知事が次々と誕生しました。その後、政府による財政の地方配分増加、農業補助金の拡大などによって不満が終息すると、知事や大都市の市長に革新勢力が推す首長は減少しました。国政においても1955年に自由民主党が結党されると、保守勢力の優位が確立します。
しかし、1960年代半ばから高度経済成長による負の遺産(公害や都市への集中、都市・地方の格差など)がクローズアップされるようになると、歴代自民政権(保守政権)の施策に対する反感が高まり、1970年代に革新勢力の推す首長が各地で誕生するようになりました。
再び社会が安定をしていくと国政との連携に難がある革新首長は、地方と中央の板挟みにあい政治運営が難しい局面を起こすことが増えていき、1980年代になるとその勢いが衰えました。