田沼時代(たぬまじだい)は、江戸時代において、田沼意次が幕政に参与していた時期を中心とした時代区分です。徳川吉宗による享保の改革と松平定信による寛政の改革の間の、宝暦・明和・安永・天明期(1751年-1789年)約半世紀の時代を指します。単に「田沼期」や「田沼の改革」「田沼の政治」といった呼ばれ方もあります。
特徴としては、通俗的には伝統的な緊縮財政策を捨て、それまで見られなかった商業資本の利用など積極的な政策を取ったとされています。一方で、政治腐敗の時代、暗黒時代などとみなされ、賄賂政治の代名詞ともなっています。ただ、これらの評価は、田沼時代の次にくる松平定信による寛政の改革による前時代の否定や批判などが反映されていて、最新の歴史研究では実態は違っているという見解も多く示されています。