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墾田永年私財法

声に出して読みたい日本史用語ランキングで上位に位置するであろう「墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)」は、奈良時代中期の聖武天皇の治世に発布された法です。

墾田(自分で新しく開墾した耕地)を永年(永久)、私有財産として保持することを認める法令です。荘園発生の基礎となった法令であり、日本史の中でも最重要の法令の1つに挙げられます。

背景として、上述の三世一身の法では開墾促進の効果が上げられなかったこと、また当時の日本は、天平の疫病大流行(735~737年)による大打撃を受けたところでもありました。そのため、墾田永年私財法には、農業生産性を高めることを通じた社会復興策としての一面もあったのです。

ただし無条件に私有できるわけではなく、私有できる面積が位階によって制限されることや、開墾には国司の許可を必要とするなどの規制があり、開墾地についても租の対象となっていました。

とはいえ、公地公民制が崩れ、墾田の私有が認められることになったため、貴族や地方豪族、社寺が開墾を進めて土地私有に動き、荘園制成立と班田収授法崩壊の原因を作ることになり、荘園が日本の社会制度の根幹を担うようになっていくのでした。

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