三世一身法(さんぜいっしんのほう)は、奈良時代前期の発布された格(律令の修正法令)です。耕作地開墾の奨励のために開墾者から三世代(または本人一代、すなわち孫世代)までの墾田私有を認めた法令です。
背景としては、8世紀初頭の日本では班田収授法に基づいて、6年ごとに班田(農地の分配)が行われました。そのため、分配された農地は期限が近づくごとに荒廃しる事態となります。また、当時の日本はまだまだ未開発の土地が多くあり、それらを開墾した場合の開墾者の権利が明確に定められていませんでした。そのため、開墾の意欲が低下しており、このような背景で三世一身法が発布され、耕作地を開墾していく動きを奨励しようとしました。
しかし、三世一身法でも最終的には開墾地が収公されてしまうので、開墾促進の効果は上がらなかったとされます。そのため、743年にさらなる開墾促進策として墾田永年私財法が発布されることになりました。