いわゆる大仏建立の詔ですね。聖武天皇は、鎮護国家を具現化するために、これに先立って741年に出していた国分寺建立の詔に続いて近江紫香楽宮で、743年に廬舎那大仏建立の詔を発布しました。
この「廬舎那大仏(るしゃなだいぶつ)」とは、『華厳経』において宇宙の真理を全ての人に照らし、悟りに導く仏として登場します。平安時代の密教で宇宙の根本仏とされる大日如来は、この盧舎那仏から展開しされた仏です。
この事業は、当時の日本の国力の大部分を投入する非常な難事業となり、一時中止となりましたが、平城京に還都後に事業再開。当時、民衆の信頼を集めていた行基の協力もあって、752年孝謙天皇(聖武天皇の娘)の代、東大寺において、開眼導師はインド出身の僧・菩提僊那が担当して、大仏開眼供養が行われました。聖武天皇も上皇として参列しています。