額田王(ぬかたのおおきみ、ぬかたのきみ)は、生没年不詳。女性です。飛鳥時代の日本の皇族・歌人。天武天皇の妃ですが、中大兄皇子(天智天皇、天武天皇の同母兄)にも寵愛されたという話が根強くありますが、確証はありません。状況証拠としてはは『万葉集』に収められた歌があって、特に
「茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」(巻1・20・額田王)
「紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも」(巻1・21・大海人皇子)
の2首などをめぐって天智・天武両天皇との三角関係を想定する理解があります。額田王の歌は、『万葉集』に長歌3首、短歌9首の計12首が残っています。