岡田 啓介(おかだ けいすけ)は、日本の海軍軍人、政治家です。田中義一内閣で海軍大臣を務めたのち、斎藤内閣でも海軍長老として海軍大臣を再び拝命して五・一五事件後の騒然とした海軍省部内を収拾しました。その斎藤内閣が瓦解したあと大命降下を受けて1934年に内閣総理大臣に就任。1936年の二・二六事件では反乱軍に襲撃されましたが、義弟で秘書官を務めていた松尾伝蔵が身代わりに殺されて、奇跡的に難を逃れました。総理退任後も重臣として政治に携わりましたが、第二次世界大戦中は東条内閣打倒を自らの責務ととらえて倒閣運動を主導。晩年に口述した『岡田啓介回顧録』はこの動乱の時代を知る上での貴重な史料となっています。