大納言(だいなごん)は、太政官に置かれた官職の一つ。現代の国務大臣に相当する政府の高官。
養老律令の職員令では、その職掌を「庶事を参議し、敷奏・宣旨・侍従・献替を掌る」と定めている。大臣とともに政務を議し、宣下と奏上に当たることが担当。
『令義解』では、大臣が欠員・休暇の際にはその代行をするものと説明されていて、君主の言葉を臣下に伝え、臣下の言葉を君主に伝える役割であることから、「言葉を納める」という名前となったかと考えられますが、正確な「納言」の由来は分かりません。
大臣とちがって、定員は複数でした。初め4人でしたが、のちに相応しい人材で定員を満たすことが出来ない、という理由で2人に減員されました。この際、大納言の減員を補うものとして定員3人の「中納言(ちゅうなごん)が設置され、その後権官(権大納言)が置かれるなどしたため、定員は有名無実となりました。
「権官(ごんかん)」とは、朝廷の官職について、正規の員数を越えて任命する官職のことを指します。 「権」とは「仮」という意味。 平安時代に多用されました。
唐名は「亜相」または「亜槐」。丞相・槐門(いずれも大臣のこと)に次ぐ者であることが由来。
ちなみにですが、小豆の品種に「大納言」というものがありますが、これの由来は、この官名の大納言です。理由は諸説ありますが、
①「尾張国名産だったことから、尾張大納言に因んだ
②煮たときに皮が破れにくく、いわゆる「腹切れ」が生じにくいため、切腹の習慣がないほど高位な官職であった大納言から名付けられた
③豆の形が烏帽子に似ているから
などがあります。