ラクスマンは、ロシア帝国の軍人でロシアからの最初の遣日使節です。1789年、ラクスマンは日本からの漂流者である大黒屋光太夫らを連れて女帝エカチェリーナ2世と謁見し、光太夫に日本送還の許しを得ます。ラクスマンは、1792年9月24日にエカテリーナ号でオホーツクを出発して、10月20日、根室に到着しました。まだ、松平定信が老中をやっていた時期ですね。
この報告を受けた松平定信らは、漂流民は受け取るが、ロシアからの信書は受理せず、どうしても通商を望むならば長崎に廻航させることを現地に指示しました。併せて幕府は使節を丁寧に処遇せよとの命令も出しています。ラクスマンは、大黒屋光太夫を引き渡した後、長崎へは向かわずにオホーツクに帰港。
帰国後は1794年に、エカチェリーナ2世に日本に関する様々な書物や名品を献上したことを賞賛されて、大尉に昇進しました。1806年に『ラクスマン日本渡航日記』を完成させていますが、それ以降については消息不明です。