王陽明(おう ようめい)は明の学者、思想家で儒学の中の陽明学を提唱した人物です。陽明は号であり、本名は守仁。浙江省の出身で父も科挙に合格した知識人です。はじめは、明の官学だった朱子学を学び、28歳で科挙に合格。しかし、官僚としては宦官との対立の結果、地方に左遷されてしまいます。左遷先での生活の中で、思索を深め、朱子学の考えを批判する新しい儒学思想として陽明学を生み出したのでした。学者・官僚としての面だけでなく、武人としても各地の農民反乱や地方豪族の反乱の鎮圧に活躍しました。王陽明は単なる思索の人ではなく行動の人であり、陽明学のキーワードは、「心即理」や「知行合一」といった行動を重視するものでした。