こちら、第5回でも用語解説をしていますが、あらためて再掲しておきます!
朱子学(しゅしがく)とは、中国・南宋の思想家である朱熹(しゅき)によって大成された儒学です。明代以降、儒学の保守本流の地位を占めることになります。儒学の一派ではありますが、仏教や道教の思想を多分に受け取って宇宙論を構成し、朱熹はこの宇宙は「理」と「気」によって構成されれていると理気二元論を主張。また、朱熹は「性即理」であるとも説きました。これは、心を「性」と「情」にわけ、「気」に汚されていない「性(本然の性)」こそが、天理であるとする説です。性と情をはっきり区別したうえで,その性を涵養するためにはきびしい道徳的,学問的修養を要求する朱子学独特の厳格主義の基本となっています。要は人間の心はそのままではダメで、立派になるためには修練が必要という考え方。世界は本来秩序だっていると考えるため、支配者層のウケがよく、江戸時代の日本において主流の学問となります。その一方で、理想主義や理論重視の側面もあり、朱子学の影響を強く受けた戦前日本が軍国主義・精神主義に陥ってしまったのは朱子学の影響が大きいという評もあります。すなわち、司馬遼太郎曰く「朱子学が国を滅ぼした」。