惣領制(そうりょうせい)とは、中世武士団に惣領を中心として形成される社会組織の単位としての同族結合の体制を示す言葉です。
中世の武士の相続は女子も含めた分割相続でしたが、必ずしも均等相続ではありませんでした。男子の中でも一族を統率する能力(器量)を持つ者がその主要部分を継承する例が多かったわけです。この継承者を惣領(嫡子)と呼び、残りの所領は惣領以外の男子(庶子)や女子の間で分割されました。彼らは独立した生計を営む一方で、戦時には惣領の下に集まって戦闘集団を構成し、平時においては惣領が主催する先祖や家の祭祀に参加したり、幕府や荘園領主から惣領を通じて課された公事を負担したりする義務を負うなど、惣領の統制下にありました。