勘解由使(かげゆし)は、日本の律令制下の令外官の一つ。平安時代初期、桓武天皇の時代に地方行政を監査するために設置されました。その後、監査の対象は内官(京都の各官職)へと拡大していきました。
奈良時代後期(8世紀後期)ごろになると、国司行政(地方行政)に利得権が生じていたため、前任国司・後任国司の間で利得をめぐる紛争が発生するようになっていました。交替時の事務引継ぎが不調となるケースも出てきてしまっていました。そのため、桓武天皇は、弛緩しつつあった地方行政の再構築に取り組みつつ、中央の権威を国内にあまねく拡げるためにも、地方行政を監査・監督する勘解由使の職を新設して対応するようになりました。