安井算哲(やすいさんてつ)/渋川春海(しぶかわしゅんかい)は、江戸時代前期の天文暦学者、囲碁棋士、神道家で、貞享暦の作成者として著名です。
元々日本では、862年に唐からもたらされた宣明暦(せんみょうれき)を用いていましたが、月食・日食といった天文運行の予報にかなり誤差が生じてしまっていました。既に中国では、元の時代に受時暦という新しい暦があったので、これへの改暦を春海は願い出ました。もともと、自分でも天体観察をしていて「受時暦いけてんじゃん!」とのことからでした。しかし、なんとこの受時暦で算出した日食予報が失敗しちゃったんです。当然春海の申請は却下とあいなりました。しかし、春海はそこでめげません。なんで失敗したのかを研究した結果、「中国と日本には経度が違うから、時差が発生すんじゃん!」ということに気づき、他にも修正すべき箇所もありそのあたりを改良して、初の国産暦となる「貞享暦」を作成し、これが採用されることになったのでした。この功をもって、1685年に天文方に就任したのでした。