明治維新(めいじいしん)は、ちょっと定義の難しい用語です。というか、広義・狭義でとらえる範囲が異なります。
まず、大政奉還から王政復古の大号令となって、旧体制である徳川幕府が倒されて、薩長が主体となった明治新政府が「成立した」ことを以て明治維新という用法があります。これは「点」での明治維新ですね。
後から歴史を見ている我々は、この切替・スイッチのタイミングでガラッと世界が変わったように思います。そう江戸時代から明治時代に切り替わったと。しかし、実際には段階を追いながら明治時代の日本は形作られていくので、それら明治新政府がおこなった近代主権国家の建設・中央集権体制の確立・富国強兵政策の実行・殖産興業の推進といった各種政策の実行・実現・達成まで含めて明治維新という場合もあります。この場合は、明治時代まるまるが明治維新ということになります。
明治維新という言葉は、事件という点の用語として使うよりかは、一連のプロセスを指す全体像のための用語として使う方が個人的にはいいかなと思います。逆に点としての用語は明治維新ではなく、それぞれの大政奉還や王政復古の大号令などを使った方がいいのではないかと思っています。