柿本人麻呂(かきのもと の ひとまろ)は、飛鳥時代の歌人。名は「人麿」とも表記されます。後世、山部赤人と共に歌聖と呼ばれ、称えられている歌の達人。三十六歌仙の一人です。平安時代からは「人丸」と表記されることが多くなります。
柿本人麻呂は『万葉集』第一の歌人といわれ、長歌19首・短歌75首が掲載されています。その歌風は枕詞、序詞、押韻などを駆使して格調高い歌風。
「敷島の 大和の国は 言霊の 助くる国ぞ まさきくありこそ」
という言霊信仰に関する歌も詠んでいます。
百人一首にも柿本人麻呂の歌は採用されていて、
「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」
があります。
非常に歌の名手として歌聖、歌仙とされる人物なのですが、ただ、同時代の各種史書上に人麻呂に関する記載がないため、その生涯については謎とされる部分が非常に大きいです。