押領使(おうりょうし)とは、日本の律令制下の令外官の一つ。警察・軍事的官職。基本的には国司や郡司の中でも武芸に長けた者が兼任し、主として現代でいう地方警察のような一国内の治安維持にあたりました。地元密着型の職務だったので、押領使には土地の豪族を任命することが主流となり、彼らが現地において所有する私的武力がその軍事力の中心となりました。なお、荘園にも押領使は存在し、荘園内の治安の維持にあたったと思われます。
追捕使も押領使も似たような役割ですが、
・追捕使は、元々海賊や反乱の討伐が目的で、やがて諸国に常置されるようになった
・押領使は、元々から地方の治安維持を担っていた
という違いがあります。いずれにしろ、令外官で実力者が任命された警察・軍事的官職です。