通信使(つうしんし)は、朝鮮通信使のことで、朝鮮から日本へ派遣された外交使節団のことです。もともとは、室町時代に室町将軍に対して何度か派遣がされましたが、その後途絶えます。豊臣秀吉による天下統一が進むと朝鮮から通信使が派遣されましたが、こちらも秀吉の朝鮮出兵によって中断されました。
一般的には、この後の徳川家康によって朝鮮との国交が回復して以降の、江戸時代に江戸幕府に朝鮮から派遣されたものを朝鮮通信使と呼びます。江戸幕府の外交政策において、朝鮮は琉球王国と並んで正式な国交のある通信国とされていました。その他の中国の明や清、ポルトガル(南蛮)、オランダ・イギリス(紅毛)といった国々は貿商国と定義され、貿易は行いつつも幕末まで正式な外交関係はありませんでした。そのため朝鮮通信使は江戸幕府の威信を示す機会であるとともに、文化交流のきっかけともなりました。