9代目市川団十郞(くだいめ いちかわ だんじゅうろう)は明治時代に活躍した歌舞伎役者です。5代目尾上菊五郎、初代市川左団次とともに明治歌舞伎の中興期である「団菊左時代」を築きました。
写実的な演出や史実に則した時代考証などで歌舞伎の近代化を図る一方、伝統的な江戸歌舞伎の荒事を整理して今日にまで伝わる多くの形を決定、歌舞伎を下世話な町人の娯楽から日本文化を代表する高尚な芸術の域にまで高めることに尽力しました。
その数多い功績から「劇聖」(げきせい)と謳われます。また歌舞伎の世界で単に「九代目」(くだいめ)というと、通常はこの9代目市川団十郎のことをさします。