浮世絵(うきよえ)は、江戸時代初期に成立した、絵画のジャンルのひとつですね。浮世絵に書かれる題材には、大名や武家などの支配階級ではなく庶民町民階級からみた風俗が主となって、多岐に及びます。初期には歌舞伎や遊郭などの享楽的・歓楽的なものが対象となって、多くの役者絵や美人画が描かれていきました。後に武者絵や風景画(名所絵)など数多くの題材に拡がっていきます。それと同時に流行や報道的な社会性を帯びた作品が作られることもあり、江戸幕府は、体制批判や風俗の乱れを封じるために度々内容に規制をかける禁令を出すこともありました。
浮世絵は、19世紀後半の幕末期になるとパリ万国博覧会(1867年)にも正式出品され反響を呼び、ジャポニスムのきっかけにもなり西洋印象派の画家たちに大きな影響を与えたのでした。