車借(しゃしゃく)は、馬借と同じく、室町時代の運送業者です。馬借は、馬の背に荷物を載せて運び、車借は牛や馬に車をひかせて荷を運んでいました。馬の背に直接のっけるよりも、車輪のついた荷台に荷物を載せた方が一度に大量の荷物を運べそうなので、車借の方が良いように思えますが、室町時代当時に道路事情は現代のそれとは違って整っているわけではなく、アスファルトどころか石での舗装もほとんどされていません。なので、室町時代には牛や馬にひかせる車が通れる道が限られてしまっていました。つまり、車が通れない道も通ることができる馬借の方が広く細かくラスト・ワンマイルの輸送を担えたわけです。