末法思想とは、第1回で取り上げた「末法」がくる、「今が末法の世である」と考える思想です。そもそも末法について再掲すると、"仏教の仏陀以降の時代を捉えるにあたって「正法・像法・末法」という三時(さんじ)の区分があるのですが、末法というのは、仏陀が生きていた時代から遠く隔たってしまったため、仏教の教えが次第に微細・瑣末になってしまい、僧侶が戒律を修めず、争いばかりを起こして邪見がはびこり、釈迦の仏教がその効力をなくしてしまう時期とさています。三時の長さのとらえかたには諸説ありますが、日本では、西暦1052年から末法が始まると考えるのが、主流となっていきます。
まさにこの道長以後の時代にあたり、戦乱(刀伊の入寇、前九年合戦、後三年合戦など)や災害・飢饉の頻発で、世の中が終わる!と感じる「世紀末思想」みたいなものですね。