伊藤 仁斎(いとう じんさい)は、江戸時代の前期に活躍した儒学者・思想家で、日常生活のなかからあるべき倫理と人間像を探求して提示しました。『論語』を「最上至極宇宙第一の書」と尊重しました。 初めは朱子学者でしたが、後に反朱子学となり、孔子・孟子の原義に立ち返る「古義」を標榜します。40歳を過ぎてから結婚し1男2女をもうけましたが、52歳のときに妻に先立たれ、その数年後に再婚。更に4男1女をもうけました。末子で五男の蘭嵎(らんぐう)が生まれたのは仁斎68歳の時でした。5人の男子は皆、優れた儒学者となり、東涯(原蔵)・梅宇(重蔵)・介亭(正蔵)・竹里(平蔵)・蘭嵎(才蔵)で、世上「伊藤の五蔵」と称されました。