国免荘(こくめんのしょう)は、官省符荘と同じく不輸の権が認められた荘園のことです。ただし、官省符省が中央省庁である太政官によって不輸の権が認められているのに対し、この国免荘は、現地の国司の権限によって、国衙へ納める田租・諸役の免除を許した田(免田)に基づく荘園を指します。
寄進地系荘園の解説のところで、課税したい国衙側と、課税されたくない荘園を保有している豪農が対立していることを説明しました。にもかかわらず、なぜ国衙のトップである国司が「免税じゃい!」と認めてくれるのでしょうか?国司が租税減免を行なった理由としては、開墾地を広げていくために、免税を認める場合があったのです。ただ、その場合は、「新たに開墾する(新たに田を広げる)範囲」をあらかじめ取り決めることが多かったです。むやみやたらに免税地を増やしたくないですからね。
また、地方に赴任する国司は、大貴族によって人事・考査権を握られているので、ご機嫌どりのために免税特権を国司権限で付与するケースも出てきました。