ラジレキ

要点から背景まで、流れでおさえる日本史の全体像

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シュタイン

シュタイン(ローレンツ・フォン・シュタイン)は、ドイツの法学者・思想家です。ヘーゲル法哲学、歴史法学を学び、パリに留学してフランス初期社会主義・共産主義思想、並びにプロレタリアート概念を会得して、ドイツにおいて、初めて学術的にまとまった形でそれらを紹介し、マルクスにも大きな影響を与えた人物です。

日本史においては、シュタインは伊藤博文にドイツ式の立憲体制を薦めて、大日本帝国憲法制定のきっかけを与えた人物として知られています。1882年に憲法事情研究のためにヨーロッパを訪れていた伊藤博文は、ウィーンのシュタインを訪問して2ヶ月間にわたってシュタイン宅で国家学の講義を受けます。その際、伊藤博文が日本が採るべき立憲体制について尋ねたところ、シュタインはプロイセン(ドイツ)式の憲法を薦めました。なお、この際に伊藤は日本政府の法律顧問として招聘したいと懇願しましたが、高齢を理由に辞退。シュタインは代わりになる候補者を推薦しました。

ただ、シュタイン自身はドイツの体制には批判的であり、日本の国情・歴史を分析した上で敢えてドイツ憲法を薦めました。そのため、実際に制定された大日本帝国憲法の内容にはシュタイン学説の影響は少ないです。しかし、そもそも伊藤にドイツ式を選択させた人物としてシュタインの存在は非常に大きいです。

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