森鷗外(もり おうがい)は、明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家であり、陸軍軍医(軍医総監=陸軍中将相当)でした。東京大学医学部を卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツでも軍医として4年過ごしました。
帰国後、小説「舞姫」などを発表する一方、同人たちと文芸雑誌『しがらみ草紙』を創刊して文筆活動に入ります。その後、日清戦争出征や小倉転勤などにより創作活動から一時期遠ざかったものの、『スバル』創刊後に「ヰタ・セクスアリス」「雁」などを発表。乃木希典の殉死に影響されて「興津弥五右衛門の遺書」を発表後、「阿部一族」「高瀬舟」など歴史小説や史伝「澁江抽斎」なども執筆しました。
陸軍を退いた後は宮内省に転じ、帝室博物館(現在の東京国立博物館・奈良国立博物館・京都国立博物館等)総長や図書頭を死去するまで務めたほか、帝国美術院(現:日本芸術院)初代院長なども歴任しました。