『愚管抄』(ぐかんしょう)は、鎌倉時代初期の慈円による歴史書・歴史哲学書。全7巻。承久の乱の直前、朝廷と幕府の緊張が高まった時期の承久2年(1220年)頃成立しましたが、乱後に修訂が加えられています。中世日本で最も重要な歴史書と評されます。愚管とは私見の謙譲語。
貴族の時代から武士の時代への転換を「末法思想」と「道理」をキーにして、日本の歴史を読み解いています。要はたとえ君主(天皇、上皇)だろうが、権勢家(摂関家、大貴族)だろうが、「道理」に合わないことをすれば、その報いを受けるのは当然という論理構成になっていて、道理に合わないことの積み重ねの結果、武士にとって代わられたと考えています。頼朝の政治は「道理」にあっていると。