統帥権(とうすいけん)とは、大日本帝国憲法下の日本における軍隊を指揮監督する最高の権限(最高指揮権)のことをいいます。この権限は、大日本帝国憲法第11条(明治憲法)では「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」として定められていたため、天皇大権の一つとされていました。明治憲法下では天皇の権能は特に規定がなければ国務大臣が輔弼することとなっていましたが、統帥権については、慣習的に国務大臣ではなく、統帥部(陸軍:参謀総長。海軍:軍令部総長)が補翼することとなっていきます。
そのため、ロンドン海軍軍縮条約を内閣が結ぶことは、内閣が輔弼する権限をもっていない天皇大権である統帥権を干犯(侵害)しているとして、問題視されるようになったわけです。要は、軍部が「なんで俺らの予算や装備、やり方が制限されなきゃいけないんだ!」という反発ですね。