松前氏(まつまえし)は、江戸時代に北海道南部に函館らへんを中心とした大名家です。江戸時代より前には蠣崎氏(かきざきし)と名乗っていましたが、豊臣氏に臣従したあと、松平(徳川)と前田から一文字ずつとって「松前」と改称しました。
普通、大名というのはお米の取れ高1万石以上という基準がありますが、当時の北海道ではお米が取れなかったため、「無高」でした。とはいえ、水産物や商人や漁師などからの徴税が主な藩の収入となり、その収入・利益はなんと7万石に相当したと言われます。
松前家は当初は交代寄合(旗本ですが領地に居住して参勤交代が義務あり)として扱われていましたが、1719年(享保4年)になって1万石格が与えられて晴れて正式に大名に列しました。明治維新の後は、子爵となりました。