第4次中東戦争(だいよじちゅうとうせんそう)は、1973年10月にイスラエルとエジプト・シリアをはじめとするアラブ諸国との間で勃発した戦争です。
6年前の第3次中東戦争でイスラエルに占領された領土の奪回を目的としてエジプト・シリア両軍がそれぞれスエズ運河、ゴラン高原正面に展開するイスラエル軍に対して攻撃を開始しましたが、アメリカの支援等もあり戦局は次第にイスラエル優勢となり、国際連合による停戦決議をうけて停戦が成立した際には、イスラエル軍が逆にエジプト・シリア領に侵入していました。
軍事的には、イスラエルの逆転勝利と言えますが、第1次~第3次までイスラエルに負け続けたアラブ側が、一時的とはいえイスラエルに対して優勢を誇った事実は大きく、1979年にエジプト・イスラエル平和条約が締結され1982年にシナイ半島がエジプトに返還される流れが生まれました。
なお、この戦争中に行われたアラブ石油輸出国機構の親イスラエル国に対する石油禁輸措置と、それに伴う石油輸出国機構(OPEC)の石油価格引き上げによって、第1次オイルショック(第1次石油危機)を引き起こし、石油禁輸措置の直接の対象となったアメリカやオランダのみならず、日本をはじめとする先進工業国における石油価格の高騰を招きました。