『宇治拾遺物語』(うじしゅういものがたり)は、鎌倉時代前期(建暦2年(1212年)~承久3年(1221年))成立と推定される日本の説話物語集。編著者は未詳。
収録されている説話全197話には、オリジナルの説話が少なく、先行する説話集と酷似する話が、『今昔物語集』とは約60話、『古本説話集』とは23話、『古事談』とは20話、他にも『十訓抄』『打聞集』などに類似の話が見られます。とはいえ、貴族から庶民まで、幅広い登場人物が描かれていて、日常的な話題から滑稽談まで、と幅広い内容が含まれています。
たとえば、「わらしべ長者」や「雀の恩返し」「こぶとりじいさん」などなじみ深い説話が収められていたり、「芋粥」や「絵仏師良秀」は芥川龍之介の短編小説の題材に取り入れられています。