日本国大君(にほんこくたいくん)は、江戸時代に対外的に用いられた、征夷大将軍の外交称号です。江戸幕府が外交文書(国書)において使用し、初めは朝鮮との間で用いられ、のちに琉球やヨーロッパ諸国との外交関係でも用いられました。略称は「大君」。「征夷大将軍」、略して「将軍」では、字義的には単なる軍事司令官の称号に過ぎません。そのため、対外呼称として日本国の為政者を示すための称号として「日本国大君」を使うようになりました。
ちなみに大君の語は『易経』に由来し、
「大君命あり、国を開き家を承く」(大君有命,開國承家)
「武人大君と為る」(武人為於大君)
「知ありて臨む、大君の宜なり」(知臨,大君之宜)
などと見えるもので、いずれも天子(世襲による国のトップ)を指す言葉でした。