広田弘毅(ひろた こうき)は、外交官出身の政治家です。外務大臣(第49・50・51・55代)、内閣総理大臣(第32代)、貴族院議員などを歴任しました。戦後の極東軍事裁判では、文官として唯一のA級戦犯として有罪判決を受けて死刑となりました。文官からも誰か責任者を出す必要があったとみられていますが、A級戦犯としての訴追・有罪となった根拠として「軍部大臣現役武官制」を復活させた点が重視されていました。極東軍事裁判の国際検察局は広田を「広田は軍国主義者ではないものの、陸軍の圧力に屈して侵略を容認し、その成果に順応することでさらなる侵略に繋がってしまった者たちの典型である」として、訴追対象に加えました。耳が痛いですね。事なかれ主義だったり、既成事実化した物事に反対できないと言われる日本社会の典型として、責任を取らされたとみると、他人事には思えません。