文官任用令(ぶんかんにんようれい)は、文官(官僚)の任用資格に関する法令です。1893年(明治26年)に文官高等試験が定められ、それを文官任用令として公布しました。ですが、これは大臣や地方官が天皇に奏請して任命される奏任官の任用制度であり、天皇の勅命で任命される勅任官には適用されませんでした。そのため、政党による猟官活動が激しくなりました。
政党政治に不信を抱く第2次山県有朋内閣では、1899年に政党の影響を防ぐために文官任用令を全部改正し、政党員が官僚になるのを防ぐために試験任用する範囲を拡大しました。
第1次山本権兵衛内閣が文官任用令を緩和するため、1913年に再び全部改正し、一般の有能な人材を登用する道を開きました。これは当時護憲運動が活発化し政党の影響力が強くなっていたことから、山本内閣が政党への配慮を示したものです。