寄親・寄子制(よりおや・よりこせい)とは、特に戦国時代において親子に擬制して結ばれた主従関係あるいはこれに准ずる保護者・被保護者の関係のことを指します。簡単に言えば「ヤクザの世界」ですね。保護する側を寄親(よりおや、指南・奏者)、保護される側を寄子(よりこ、寄騎(与力)・同心)と呼びました。戦国時代の日本語とポルトガル語の辞書である『日葡辞書』では寄親は「ある主君の家中とか、その他の所とかにおいて、ある者が頼り、よりすがる相手の人」、寄子は「他人を頼り、その庇護のもとにある者。あるいは他の配下にある者」と解説されています。原則的には寄親・寄子関係は私的な契約関係に寄って生じるものでしたが、戦国時代においては半ば強制的なものになりました。