人民義勇軍(じんみんぎゆうぐん)とは別名「人民志願軍」とも呼ばれる、朝鮮戦争に参戦した中華人民共和国の部隊の名称です。
1950年6月25日に始まった朝鮮戦争は当初、朝鮮人民軍が優勢でした。しかし、アメリカ軍を主体とした国連軍の仁川上陸作戦により形勢は逆転し、国連軍は平壌を占領、一部部隊は中朝国境の鴨緑江に達しました。1949年に成立したばかりの中華人民共和国は当初介入に否定的でしたが、国連軍の接近のために参戦を決意します。しかし、中ソ友好同盟相互援助条約を結んでいたソ連と中国は米国との全面戦争(第三次世界大戦)によって朝鮮半島を超えてソ連や中国の領土まで戦線拡大で巻き込まれることを回避するため、参戦部隊は事実上の国軍である中国人民解放軍ではなく、表向きは義勇兵であるとして、「人民志願軍」と命名したわけです。