ハル=ノートとは、1941年11月、太平洋戦争直前の日米交渉の際に米国国務長官ハルが日本に提示した覚書です。日本軍の中国および仏領インドシナからの全面撤兵を要求し、蒋介石政権以外の政権の承諾拒否(日本は汪兆銘政権を承認)、日独伊三国同盟の破棄などを内容とするもので、アメリカによる日本への事実上の最後通牒とみなされました。非妥協的な内容で、かつそれまでの日本の対外行動を全否定する内容だったために、日本としては到底受け入れられる内容ではありませんでした。そのため、開戦論者はもちろんのこと、外交交渉で対米開戦を避けようとしていた交渉論者も開戦を支持することになりました。そのため、ハル=ノートは、日本に対米開戦を決意させたものとして日米関係史において重要なものとされています。