バルカン半島はは、ヨーロッパの東南部にあたる地理的領域であり、地理的・歴史的に様々な意味合いと定義付けの下で使用される概念です。名称はバルカン山脈からきています。ただ、バルカン半島を定義する自然境界が「半島」の学術的定義と一致していないため、現代の地理学者は「バルカン半島」という考え方を拒絶しており、通常はバルカンを「地域」として議論を行っています。
バルカン半島の具体的な範囲は、北西をアドリア海に、南西をイオニア海に、南と南東をエーゲ海に、そして東と北東を黒海によって区切られています。一方、北側の境界については論者と文脈によって様々に定義されていて不定です。
このバルカン半島には、オスマン帝国支配下において人種・宗教・民族の多様性があり、国民国家建設の流れの中で紛争・対立のるつぼとなりました。そのため第一次世界大戦前夜には、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれていました。