670年(庚午の年)につくられた日本で最初の全国的な戸籍。 古代においては,一般の戸籍は6年ごとに作成され,30年を経ると廃棄される規定でしたが、庚午年籍は永久保存とされました。
近江令に基づいて作られたとされていますが、近江令と同じく、この庚午年籍も現存していないため、全国的に全ての階層の人民を対象にして造籍したのかどうか疑われています。
ただし、その後の歴史書の記事で、かなり下層の人々の改姓訴訟や、あるいは良賤訴訟の際にも、庚午年籍が証拠として参照されている事例があり、また、839年には、左右京職并びに五畿内七道諸国に、庚午年籍を写し進ることが命ぜられ、それらが中務省の庫に納められたところをみると、初めての全国(当時の)全階層の戸籍としてよいようである。